私の転機(お題)

かれこれ8年前の話になります。

 

20歳で栄養士の専門学校を卒業し、それまで勤めていたバイトを辞めるに辞められずにいました。

学業に専念も出来ず、追試を受けてなんとか卒業できたのが5月に入ってからだったのもあって、生活のために続けていたのですが就職活動も何もせずにツレと暮らしていて、その日暮らしといった感じだったんです。国民年金も払えず、親の扶養内で生活をしていました。

 

飲食店のバイトだったのですが、楽しかったです。ベテランの域だったので何でもやっていました。ですが、そんな私を両親は心配していたと後に話してくれました。

 

23歳、いつもの日常を過ごしていたその日は、バイトに向かう前に美容室の予約をしていたので、お昼を食べてから徒歩で向かっていたんです。3月の良く晴れた、しかしまだ寒さの残る日でした。

 

横断歩道で信号が青なのを確認して渡っていたら、オレンジ色の車が右折して来たんです。私はそれに見事、当てられました。何が起こったのか?歩行者の信号は?メガネは?私の頭は真っ白になり、目撃者であろうお向かいにある車屋のおじさんに声を掛けられた時に「今、信号、青でしたよね?」と呆然と訪ねてしまいました。

 

背格好から学生かと思われたらしく「職場に電話しなくちゃ」と呟いた時に、周りから謎の安堵感を含んだ空気が流れたのを覚えています。車の運転手は若いお母さんでした。子供に気を取られたのだと後に警察から報告がありました。

 

救急搬送され病院に着くまで、呆然とした私は救急隊の質問に殆ど答えることが出来ませんでした。頭が質問の内容を処理できなかったんです。レントゲンを撮り、その場はすぐに帰されてしまいました。メガネがないので視界が殆どないまま、バスに乗り、アパートに帰宅。すぐに警察から電話があって、あとは保険屋さんとのやりとりのみにしました。相手の方とは1度もお会いしていません。謝罪にと言われたのですが、会わない方が良いと母に言われたんです。

 

取り敢えず、母に電話をして、職場に電話をして、ただ当たって転んだだけだから大丈夫だと思っていたんです。母も同じような考え感じだったらしいのですが、同僚の強い勧めで迎えに来てくれました。私は実家から車で2時間程の県西に住んでおり、ツレは当時、県北に異動になってしまっていたので1人だったんです。

 

翌日、全身の痛みで起き上がることが出来ませんでした。最寄りの病院で全治1ヶ月と診断され、その間にメガネを作り、安静に過ごしていました。

 

当時の職場にはなんとか言い訳を作って辞め、アパートを解約して、暫くボーッとしてから両親の言う通りに車の免許取得し、栄養士で働く気がなかったのでホームヘルパーの資格を取り、24歳の10月に今の職場に就職しました。

 

私の転機は交通事故です。

もしあれがなかったら、私は未だに自立出来ずに(今が自立しているのかと問われると難しいのですが)フリーターのまま生活していたのかもしれません。今はツレとワンコとこじんまりとした賃貸の戸建てで暮らしています。介護福祉士の資格があるので、もう栄養士で働くことはないと思います。